アメリカの高校教育 |
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ボーディングスクール |
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Boarding School |
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ボーディングスクールとは |
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Boardingとは辞書で引くと食事や賄い付きとかという意味ですが、簡単に言うと”お泊り”という意味です。 いわゆる寮制です。 ただし全寮制は少数で、地元からの通学生も多いところがあります。 犬をペットホテルのようなところに預けるのもボーディングといいます。 (子供が友達の家に一泊するのはスリープオーバー=sleep overといいます) アメリカには約300校ものボーディングスクールが存在し、生徒数は6−7万人です。 (私立は全部で3000校あります。 ボーディングでは無い通いの学校をDAY SCHOOL=デイスクールと呼びます。また、公立高校は2万あります) ボーディングスクールは、主に2種類に分かれており、プレップスクールと呼ばれる進学を目的としたボーディングスクール (プレップスクール)と問題児の更生を目的としたボーディングスクールがあります。 問題児とは中学生でありながら、麻薬中毒であったり、手のつけられない不良であったりする子供たちを集団教育の中で更生させようというものです。(プレップスクールのプレップはpreparatory=準備、 予備、入学準備などの意味です。プレップスクールの生徒たちは 俗称プレッピーと呼ばれています)
プレップスクール(大学進学準備校)のうち、寮制度の学校がこのホームページで紹介しているボーディンスクールです。
かつて、アイビーリーグに進学させ、エリート街道を進むなら、ボーディングスクールが確実といわれた時代がありますが、現在では、超トップクラスのボーディングスクールのアイビーリーグ進学率は、20%−35%です。 これは、アイビーリーグ以外にも良い大学ができた
事、また、その他私立でも優秀な学校が認知されてきたた事、大学側が、幅広く学生を募集しはじめ、奨学金制度が充実し、経済的な壁が低くなった事、などが要因といわれています。 現在、アメリカはつねに世界をリードしています。 その背景には、強いリーダーシップ育成教育があるといわれています。 その一つとしてボーディングスクールが存在しているいわれています。 アメリカのあらゆる分野、政治、経済、学術、スポーツなどでリーダーシップを発揮しこれらのアメリカを支える人材を育成するのもボーディングスクールに期待される役割です。 どこのボーディングスクールの資料を読んでもリーダーシップ育成が重要な目的と示されています。 ボーディングスクールは、その他、一般的に次の特徴があります。
ボーディングスクールの多くはアメリカの東北部のいわゆるニューイングランド地区(Connecticut, Maine, Massachusetts, New Hampshire, New York, Rhode Island Vermont州)から ミッドアトランティック地区(Delaware, Maryland, New Jersey, E. Pennsylvania, Virginia, Washington D.C.)の間に多くあります。 この地区_には、アイビーリーグのハーバード、コロンビア、ブラウン、イエール、コーネル、プリンストン、ペンシルバニア、ダートマウスなどをはじめ 、MIT、ジョーンズホプキンズ(医学部がハーバードと並ぶ大学。メディカルスクールへの進学率が全米トップ)など優秀な大学が多くあります。 また、アメリカ独立の中心地でもありました。 近隣のもっとも大きな都市は北はボストン。そしてニューヨーク 、フィラデルフィアです。 特にボストン近郊には、全米のトップクラスのボーディングスクールが集中しており、全米また世界各地から生徒がやってきます。 日本では、アイビーリーグやその他のスタンフォード、MITなどの有名大学はだれでも知っていますが、高校のボーディングスクールとなるとあまり知られていません。 アメリカでは多くの知識人がその存在を知っています。 以下がボーディングスクールのトップクラスでそれぞれ100−200年以上の歴史がある伝統校です。 また優秀な進学校でもあります。
これらのボーディングスクールの概略位置はこちらでわかります。 これらは全米300あるボーディングスクールのトップ10です。 学生数は合計でおおよそ6千人強で、
ボーディングスクール全体の約10%です。 トップ校は大型校が多い事が分かります。 他にもすばらしい学校がたくさんあります。
古い学校は1778年創立のフィリップスアカデミーアンドーバー、同81年のエグゼター、ローレンスビルは1810年です。 たとえば日本の慶応大学は1858年ですから、その歴史
の深さがわかります。 アメリカは新しい国ですが、教育面では日本よりも古くからしっかりしたシステムがあったといえます。
また、その他ボーディングスクールの特徴としては、その資産が大きいことです。 トップのフィリップスエグゼターでは、$800=900-1000億円の資産を保有しています。 歴史が古く優秀な卒業生を出すボーディングスクールほど資産が充実して
おり、さらに毎年10億円単位で増えている学校もすくなくありません。 それぞれの学校の資産はチャリティーナビゲーターなどでわかります。(このリンクはフィリップスエグゼターの資産情報) 公立高校でも有名な大学に数多く進学させている学校もたくさんあります。 アメリカは住んでいる地域によっての格差が大きく、良い地域には、良い学校があり 、よい大学に進学します。 たとえば、ニュージャージのプリンストン市やニューヨークのスカースデール市などがその例です。 ニュージャージ州プリンストンにある公立高校プリンストンハイスクールは、 その地域に住んでいれば、だれでも入ることが出来ますが、土地柄もあり毎年10名以上プリンストン大学に入学しています。 難関私立高校並にプリンストン大学に進学しています。 (公立高校については、公立高校のページを参照ください) しかし、地域的な特色を別にすれば、やはりボーディングスクールや有名私立から有名大学への進学が圧倒的に多くなってます。 特にボーディンススクールは、全米に限らず全世界から優秀な生徒をあつめることが出来るからです。 しかし、ボーディングスクールは成績だけがすべてではないところが良いところです。 はじめにも記載しましたが、「人格形成」が重要なポイントです。 人生は成績だけではないことはだれもがわかっていることであり、「人格」がその人の人生を左右することはいうまでもありません。 ボーディングスクールは授業が終わっても家に帰るわけではなくそのまま集団生活をします。 それら人格形成、リーダーシップ力などは、授業が始まる前、終わった後や週末などの集団生活・教育環境から生まれてきます。 ボーディングスクールは、卒業生のつながりが極めて強く、社会に出てからのつながりもそれぞれの成功に役立ちます。 それぞれが優秀な大学を卒業し、社会に出ることで、レベルの高い関係が築かれます。 また、ボーディングスクールの運営そのものも卒業生からの寄付が重要な資金源となっています。多くの寄付を集めることが出来るのも、卒業生が成功している証でもあり、卒業生は、自分の母校が 、より発展し、優秀な生徒を集めることが出来るように寄付を惜しみません。 寄付は学校設備の充実に使われるだけではなく、優秀な生徒への奨学金として使われます。 優秀な生徒でも学費が高すぎる場合は、これら充実した奨学金がサポートします。 ただし奨学金は海外からの学生には適用が極めて難しいため日本からの留学などには、それなりの金銭的な準備が必要です。 ボーディングスクールは入学面接などを通してその生徒一人一人の性格や適正を見抜こうと一生懸命です。 「人格形成」といっても生徒にやる気や基本的な能力がなければなにも始まりません。 そういう意味からも、また、世界中からやってくる生徒たちに対応するために、学校側は1年中面接実施しています。 また、9年生(中学3年)の入学にもかかわらず学校以外でどのような活動をし 成果を上げてきたかも重要なポイントになります。 スポーツ、音楽、芸術などといった日本的に言えば課外授業がとても大切なのです。 成績だけでは入れない、それがトップボーディンススクールです。
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